純情*ライアー


夏休みが明けて初日は、奇しくも水曜日。



ただし、午前放課だから昼休みなんてものはない。


だから今日のレッスンは無しかな、と、莉央と帰ることにした。



「葉澄さん。」



いつも通り廊下で桐谷くんや女の子達と賑やかにしていた葵くんが、私を見つけて呼び止める。



その顔に笑顔も照れもなくて、飄々とした感じがちゃんと女慣れしてそうなクズ城葵だった。



「キャー!」と莉央が息を呑んで、私の肩をバシバシ叩く。



葛城くん狙いで囲んでた女の子達も一斉にこっちを見た。



「今空いてる?俺に時間ちょーだい。」




こっちの都合を聞くつもりない聞き方。

上手な演技だね、葵くん。



「行きなよ」と、莉央が積極的に私の背中を押す。



ならば「いいよ。」と、葵くんについて行った。