純情*ライアー


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今日のノルマを予定より早く終えたので、小説コーナーで読書感想文用の本を探す。



その隣には、桐谷くん。
おすすめの本を教えて欲しいんだって。



「順調?葵との練習とやらは。」

「全然?亀どころかカタツムリの歩みかな。」

「ふはっ、……だろーね。“葵”だもん。」



清涼感しかない噴き出し。


それと裏腹に自然な誘導で私の背を本棚につけさせた。



「いーな、葵ばっかり。そろそろ気、変わらない?」


背、高い。顔の位置が葵くんよりほんの少し上。


「んー。どうだろ。
葵くん面白いからなぁ。」



チラリとこちらに背を向けて座る葵くんを見る。

はしゃぐ莉央と、ちゃんと軽く楽しそうに会話してるように見える。


「というかさ。桐谷くんこの間、私のこと試したでしょ?」



言った途端、桐谷くんの余裕顔が唖然に変わる。


半分カマかけだったけど、ビンゴか。