純情*ライアー


◆◇◆

「――これはこの動詞が未然形でしょ?
だから訳は……ってなるわけ。」

「すごーい、わかった!
さすが優里♡教え上手!」



身を乗り出して莉央のノートを指差しながら解説すると、莉央がポンと手を叩く。


「ねー、葉澄さん。俺も聞きたいトコあるんだけど!」



椅子に腰を戻すと、桐谷くんが頬杖をつきながらこっちを見た。


「いいよ、どれ?」


二つ返事で席を寄せる。


「数学なんだけど、この問2が――……」

「あぁ、ここはね?ここの数字をxに置き換えて……」



今度は桐谷くんのテキストに指を滑らす。

「わかりやすっ」といちいち感動する桐谷くんが、次々質問してくるからそれにずっと応答した。



(葵くん、口数少ないなぁ。)



意識の隅には葵くん。

なぜなら葵くんが、莉央のマシンガントークを聞きながらずっと上の空だから。




――ちゃんと会話回さないと、チャラくないってバレちゃうよ?