間近に見る葵くんの顔は真剣な表情のままなのに、
瞳だけ弱々しくぐずついて、いっぱいいっぱいなのだとわかる。
頬をすっぽり覆うほど葵くんの手は大きくて、私の顔にじわりと熱を伝えてくる。
その親指で、優しく私の目元を撫でてきた。
「――っ、」
「……優里さん?」
私の顔を見つめていた葵くんが、驚いてパッと手を離す。
わかるよ、びっくりするよね。
私も驚いてるもん。
頬がカッカッして熱い。
眉は制御不能でへにゃりと歪んで、相当弱った顔してる。
自分の心臓の音も聞こえるようになって、気まずさにごくりと喉を鳴らした。



