「ほらほら葵くん。昼休み終わるまであと15分だよ?」
煽りに素直に反応する葵くんが、きゅっと拳を握る。
そして、開いて、握って、また開いてを繰り返した手を最後にしっかり握り込んだ。
「やっぱりさ、よくないよこんなの!
女の子に気安く触るとか……!」
細めた視線でじっと私の顔を見る。
赤らんだ頬はもう標準装備だ。
「何言ってるの。クズ城葵ならボディタッチのひとつやふたつ平気な顔してできないと。」
葵くんがきゅっと口を閉じて黙る。
私は続けて自分を指差した。
「私はそのための練習台。ね?」
「練習台じゃないよ。」
何も言えなくなったはずの葵くんが、私の言葉を間髪入れずに否定した。



