純情*ライアー


◆◇◆


「む、むむむ無理!俺にはできない!」


そうゴネ続けて早数週。


週1しかないレッスン日を葵くんは見事に棒に振り続けている。



頭が飛んでいくんじゃないかって勢いで首を横に振りまくる葵くんを、静かに見守る。



今回のルールは、


“どこでもいいからとにかく私に触れること”


それだけ。



「今日こそやらないと、このまま夏休みになっちゃうよ?」

「わかってるけどさぁ……!」



恥ずかしがる葵くんの視線が、私の頭の先から爪先まですうっと動く。


夏服の透けそうなシャツの薄さとか、広がるスカートから伸びる脚とか。

そういうとこについ目が止まる、健全な男子らしさが目線から伝わる。



ごくん、と緊張に生唾飲む音も聞こえた。



そのくせ、

(無難に手か!?……肩?それとも髪!?)


……とか思ってそうなのも、目の動きでよくわかる。



こんなに女子の全身凝視してるのにいやらしさ皆無な人、葵くんくらいだよ。


まだかなぁ、と内心呆れながらも挑発的な微笑みは絶やさないでおいた。