葵くんの顔がカーッと赤くなる。
弾ませた手をそのまま頭に置いておくと、どうしようもなくなった葵くんは力無さげに俯いた。
「……また、5歳?」
「そう。……あ、でも。
一歩前進したから葵くん(6歳)、かな。」
「実年齢までの道のり遠くない?」
「遠いね。でも頑張ろうね?」
葵くん、顔が胸につく勢いで俯いてるから覗き込んでも表情は見えない。
柔らかい髪の感触を楽しんでいると、ぱし、と突然その手を取られた。
赤らんだ顔のまま、ゆらりと葵くんが顔を上げる。
その時の目が、弱りきっているのにその奥に熱を燻らせている。
――同い年の男の子だ。
直感的にそう感じて、
トク、と胸から音がした。
「俺、頑張るから。」
強がって、でも真っ直ぐに意志の強い目と芯のある声。
「頑張って頑張って、優里さんと同じ目線に立てる男になるから!」
――すっごい口説き文句。
私の手を掴む力がギュッと強まる。
葵くんがピュア過ぎて、目がチカチカする。
でも最初の目的、見失ってるよ。



