純情*ライアー


「そう?黒目の割合多くて、生気がないとかよく言われるけど。」


「や、そんなことない!
よく見ると茶色が深いし、すごく澄んでるし!

――だから、綺麗。」



(なにその微妙な褒め言葉。)



言葉のチョイスに色気がないなぁ。


そう思ったらつい手が伸びて、まだ赤みの引かないおでこを弾いた。


「イデッ!?ななな、なんで!?」


葵くんの目に星が飛んで、理解が追いつかないとばかりに狼狽え出す。


「なんか生意気だったから、つい。」

「ええ!?そんなルール聞いてないけど!?」

「あ、もうそろそろチャイム鳴りそう。
今日の練習はここまでだね。」

「ちょっと、優里さん!?」



素知らぬ顔で顔を背ける。


数十分ぶりに葵くん以外のものを見た。

焦点が合うまで少しかかる。


同じものしか見ないって結構疲れる。
ちょっと大変、だったかも。