「先生、今日は何をするんでしょーか。」
「先生?」
照れ隠しが不器用すぎ。
ク、と短く笑ってしまった。
「今日はね、お話ししましょうか。このまま。」
面白いから先生ごっこに乗ってみる。
緊張に張り詰めていた葵くんが、肩透かしくらったみたいな顔をした。
「お話し?」
「そう。お話し。
――ただし、」
にま、と口端を吊り上げる。
顔の距離数十センチで澄んでいる琥珀色の瞳をじっと見つめた。
「ずっと見つめ合ったままでいること。
ね?簡単でしょ?」
「そう、だ、ね……?」
“本当にそうなのか?”が葵くんの頭に浮かんでるのが見える。
「はい。よーいスタート。」
目の前で手をパンと叩いて、有無を言わさず練習を開始した。



