純情*ライアー


怖いものを見るようなドギマギした顔が面白い。

「何したい?葵くん。」

「おお、俺が選ぶの!?」


反応予想通り過ぎ。わかりやす過ぎ。


「うそうそ、ちゃんと考えとくね?」


スカートを翻して階段を降りる。


「葉澄――、……優里さん!」


そしたらまた、呼び止められた。


「何?偉いじゃん、名前呼び。」


揶揄うとキュッと眉が寄る。

踊り場の柵から葛城くんが身を乗り出した。



「……ありがとう!俺、頑張るから!」



――素直か。
遊ばれてるのに気付きなよ。


「どういたしまして。また来週ね。」


華麗に背を向けて颯爽と立ち去る。



「……変な人。」


人のいない廊下で、葵くんの必死な顔を思い出して肩を震わせた。