純情*ライアー


◆◇◆

「――で?どうなったの?」

アッシュピンクの巻き髪を揺らして、水瀬 莉央(みなせ りお)が興味津々で机に身を乗り出した。


「どうもこうもないよ。
ただ見られた。おしまい。」


しゃんと座って開いた本に目を落としながら、小さく笑う。



葉澄 優里(はすみ ゆり)。17歳。
花も恥じらう品行方正な女子高生だ。

胸くらいの長さのストレートヘアはちゃんと黒髪。
制服はきちんと着こなして、身のこなしは淑やかに。
校則違反なんて、身だしなみではしたことない。

さっきまで男と遊んでたなんて全く想像できない、でしょ?



「えー!あの葛城 葵(くずき あおい)に見られたんでしょ!?
あのクズ男なら乱入したっておかしくないのに〜!」

莉央がくうう、と唸る。
この子、可愛いのにゴシップ好きが玉にキズ。

「クズなりに、一応遠慮って言葉は知ってたのかもね?」

荒ぶる莉央を宥めるように相槌を打つ。


さっきから話題に昇っている“葛城 葵”とは――
学校1有名な女たらしの遊び人のこと。
ちなみに、同級生。