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「――で?どうなったの?」
アッシュピンクの巻き髪を揺らして、水瀬 莉央が興味津々で机に身を乗り出した。
「どうもこうもないよ。
ただ見られた。おしまい。」
しゃんと座って開いた本に目を落としながら、小さく笑う。
葉澄 優里。17歳。
花も恥じらう品行方正な女子高生だ。
胸くらいの長さのストレートヘアはちゃんと黒髪。
制服はきちんと着こなして、身のこなしは淑やかに。
校則違反なんて、身だしなみではしたことない。
さっきまで男と遊んでたなんて全く想像できない、でしょ?
「えー!あの葛城 葵に見られたんでしょ!?
あのクズ男なら乱入したっておかしくないのに〜!」
莉央がくうう、と唸る。
この子、可愛いのにゴシップ好きが玉にキズ。
「クズなりに、一応遠慮って言葉は知ってたのかもね?」
荒ぶる莉央を宥めるように相槌を打つ。
さっきから話題に昇っている“葛城 葵”とは――
学校1有名な女たらしの遊び人のこと。
ちなみに、同級生。



