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夕方の図書館はそこそこ混み合っているけど、向かい合う席を取れた。
私達は今、高校3年の受験生。
たまのデートはこうやって、勉強会みたいになることが多い。
「葵ってさ、意外と勉強できるよね。」
サラサラと淀みなくシャーペンを走らせる姿を、つい感心して見てしまう。
私の声に気づいて顔を上げた葵が、むす、とむくれた。
「意外って、失礼な。」
「ごめんごめん。あんまりイメージなくて。」
「まぁ元々はそんなにだったけど。
……でも、」
顰めっ面がじ、と私のことを見つめる。
それから窄めた唇が、もごもごと動いて言葉を紡ぐ。
「優里が頭いいの知ってから、追いつこうと思って頑張った。」
これまた意外な理由にきょとん。
この人は、いつも心の真ん中に私を置いてくれている。
だからいつでも安心して、彼のことを好きだと思える。



