「違った。こっちだったね。」 手の平を滑ってするりと葵の指の間に私のそれを割り込ませて、やんわりと握り込む。 ガタンゴトンとのどかな音。 ねだった割に真っ赤になってる葵が、窓の外に顔を向けて状況を噛み締めている。 (いつまで経ってもピュアだなぁ。) いっぱいいっぱいの横顔と、籠る手の熱にキュンと胸が狭くなる。 甘いときめきに素直に身を委ねられるのは、とても幸せなことだと思う。