純情*ライアー


◇◆◇


その日の夕方、帰り道。


会話の途切れ目で爽に向かってぽつりとぼやいた。




「どうやったらさ、葉澄さんに近づけると思う?」




聞いた途端、爽が飲んでいたジュースを喉に引っ掛けた。

咳き込んで口元を拭いながら、表情を歪めて俺を見る。



「お前、マジか。
悪いこと言わないからやめとけ。あの手の奴は本気になればなるだけ引いてくって。」


「じゃあこっちも軽くなれば見てはもらえるってこと?」


「それは……かもしんないけど!
数ある男の1人になって自滅するだけだぞ。」




うん、それでもいい。


まずは葉澄さんの目に留まってみたいと思った。