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――って、思ったのに。
俺は今日も廊下に出ちゃってて、何やってんだかなぁ。
(あ。葉澄さん。)
見つければ、目で追うし。
もう習慣になってるのか!?
ナントカの犬って、そんな法則みたいなやつ。
廊下で見かける葉澄さんはいつも笑ってる。
そして些細なことも見落とさず救う。
(落差激しすぎなんだよなぁ。)
空虚に男遊びしてる時とのギャップが。
目の前を通りがかった人が、ひらりとプリントを1枚落とす。
「葛城くん!ここにいたんだ。」
教室から飛び出してきた女子が、気付かずそれを踏んづけて駆け寄ってきた。
「あのね、今話していい?」
「え?あー……」
拾わなくちゃ。
そう思った時。
足速に歩いてきた葉澄さんが、さっとそれを拾い上げる。
それからわざわざ踏まれた時の皺を伸ばして、落とし主を追いかけて、トントンと肩を叩いた。
「――落としたよ。」
「えっ!?ありがとう。」
「いえいえ。」
小首を傾げて、優しい笑顔。
――あぁ、好きだ。
想わないのは無理だった。



