純情*ライアー


◇◆◇



――って、思ったのに。



俺は今日も廊下に出ちゃってて、何やってんだかなぁ。



(あ。葉澄さん。)



見つければ、目で追うし。



もう習慣になってるのか!?
ナントカの犬って、そんな法則みたいなやつ。



廊下で見かける葉澄さんはいつも笑ってる。

そして些細なことも見落とさず救う。



(落差激しすぎなんだよなぁ。)



空虚に男遊びしてる時とのギャップが。




目の前を通りがかった人が、ひらりとプリントを1枚落とす。



「葛城くん!ここにいたんだ。」


教室から飛び出してきた女子が、気付かずそれを踏んづけて駆け寄ってきた。



「あのね、今話していい?」

「え?あー……」



拾わなくちゃ。


そう思った時。



足速に歩いてきた葉澄さんが、さっとそれを拾い上げる。


それからわざわざ踏まれた時の皺を伸ばして、落とし主を追いかけて、トントンと肩を叩いた。



「――落としたよ。」

「えっ!?ありがとう。」

「いえいえ。」




小首を傾げて、優しい笑顔。





――あぁ、好きだ。



想わないのは無理だった。