純情*ライアー


葛城くんの横に手をつく。
ひんやりとした壁の温度が伝わった。


「いろいろ、とは……」


頑張って私を見下ろしている葛城くんの目が、瞬きを忘れてしまっている。


「聞くのって野暮だと思わない?
減点1。5点貯まるごとにでこぴんね。」

「……地味に嫌なんですけど!?」

「でしょ?だから言動にも気を遣うこと。」


言いながら体重を支える腕を曲げて距離を詰めていく。
同時に背伸びをして、顔同士の距離も縮ませる。


睫毛、長。女の子みたい。




「とりあえずさ。キス、してみよ?」


言った瞬間、葛城くんの喉奥からヒクッと音がした。

空気がどんどん張り詰めて、震える吐息が交わった。



――もう触れる。なんなら掠めた。



「――いやっ!無理!!
いきなりハードル高すぎるって!!」


ギュンッと視界から葛城くんが消えた。
この男、しゃがみ込んで回避したらしい。