「いい加減慣れろよ葵。
その見た目で女子苦手とか人生損してるぞ。」
「何だよそれ。そんなことないし。」
爽がテキトーに女子をあしらった後、2人で窓際の壁に背をついた。
苦々しく表情を引き攣らせた俺に、爽が呆れて息を吐く。
「昔っから変わりませんねー。純情男子・葵くんは。」
「……馬鹿にしてんの?」
ムッとして爽の方に視線を投げた時、その先の教室から出てきた人に目を奪われた。
長い黒髪が映える白い肌。
華奢で儚げなのに、凛とした黒目がちの涼しい目元。
きちんと着こなした制服と、綺麗な姿勢に歩き姿。
漂う雰囲気が、なんというか、洗練されているみたいだった。
思わず呆然と眺めていると、その人が友達と並んでこっちの方に歩いてくる。
「莉央、そろそろ視聴覚室の場所覚えた?」
――見た目通りの静かで澄んだ声。



