ふわっと春風が吹き上げて、見開いた葵くんの瞳がキラリと光る。 面食らってぽかんと開いた唇に、ちょっと強がって微笑んだ。 「お、れも、ずっと……、」 葵くんがゆっくりと呼吸を取り戻す。 感極まっているのか、辿々しく出てきた声が震えている。 緊張に握り締めたその手を取りたい。 でも、だめ。今は。 あなたの言葉を全部聞くまで、ちゃんと最後まで待たなくちゃ。