「開くんだ、ここ。」
「……ね、開かないものって先入観持ってたよね。」
呆気に取られた苦笑いが、目が合って照れ笑いに変わる。
すぐ側のフェンスに手を置いて、並ぶ葵くんの方を見た。
「葵くん、ずっと宙ぶらりんにしてごめんね。」
不思議とスッと言葉が出てきた。
葵くんがぎこちなく首を横に振って、みるみるうちに悲しそうな顔になる。
「私は葵くんをどう思ってるのかなって、ずっと考えてたの。
それから、向き合うって言ったくせに、向き合う資格あるのかな、とか。」
葵くんの手が私に伸びかけて、ギュッと拳を握って引っ込む。
何か言おうとして口を開いたのを、もう少し待ってと遮った。
「……結局、どんなに頭で考えても無駄だった。」
だって、資格なんて葵くんは最初から求めてなかった。
嘘つきなのに正直すぎるその気持ちに、勇気を出して向き合えばいいだけだったの。
胸につん、と気持ちが込み上げて、口角を引き上げて堪える。
新鮮な空気を吸い込んだら、あとは唇に乗せるだけ。
だから、自分に正直に。
心のままに伝えよう。
「大好きです、葵くん。
私と付き合ってください。」



