純情*ライアー



◆◇◆


葵くんを連れてやってきたのは屋上手前の踊り場。



私と葵くんの出会いの場で、思い出の場所。



なんとなくの場所に立って、ちょっと微妙な沈黙が流れる。



呼び出したからには早く話さなくちゃいけないんだけど、いざとなるとどこから、なにからと迷ってしまった。




手持ち無沙汰に、葵くんが屋上のドアに手をかける。



意外にもガチャリとドアノブが回って、驚いて顔を見合わせた。



「開いた。」

「開いたね。」



葵くんがそっとドアを押すと、外の風が吹き込んで柔らかな日差しがそこに差し込む。


一歩外に踏み出すと、開放的に青空が広がっていた。