「おい、あの先輩めっちゃ美人じゃね!?」
「資料渡す時の仕草もめっちゃ色っぽくてさぁ……」
朝のHR前。体育館前の渡り廊下。
新入生オリエンテーションの資料を渡す様子に、新入生のざわめきが聞こえる。
「早速モテてますねぇ、葉澄さん。」
それを横目に見ながら、隣で同じく新入生に資料を手渡す桐谷くんがにやりとして耳打ちした。
「何をおっしゃいます。
桐谷くんには負けますよ。」
ちら、とこっそりはしゃぐ女の子グループに視線を投げる。
釣られてそっちを見た桐谷くんが爽やかに笑いかけると、「キャーッ」と黄色い声が湧いた。
「ていうか、新学期早々クラス委員なんて押しつけられて、相当不幸体質じゃない?俺達。」
「それだけ気に入られてるってことでしょ。内申点稼いでおこ。」
うえー、と桐谷くんが大袈裟にげんなりした顔をする。
――クラス替えは奇跡が起こって、私と莉央、そして桐谷くんと葵くんはなんと同じクラスになった。



