「優里!こっち来て!」
「ええ、そこまで行くの怖いよ。」
笑いながら、スマホをしまいかけた時。
着信音が鳴り響いた。
驚いてその場で時が止まる。
手の平で震え続けるスマホに、ドキドキと再び鼓動が高まっていく。
ゆっくり過ぎるほどぎこちなく、手の平を返して画面を覗く。
「葵くんだ……」
見たばかりのアイコンに、思わずポツリと呟いた。
「えっ♡やだ、優里!早く出なよ!」
頬を染めて声を上擦らせた莉央が、わくわくした顔で指を差す。
ぎこちなくスマホと莉央に視線を往復させて、迷いに迷ってやっとの思いで画面に指を滑らせた。
「――もしもし、」
繋がった途端、耳を突き刺すゲーム音。
多分ゲームセンターにいる?そんな感じの騒がしさ。
「もしもし?葉澄さん?」
喧騒に浮き上がる葵くんの色っぽいのに優しい声。
緊張に伸縮していた胸が、きゅんと小さく縮まった。



