気付いてしまったら、胸の奥から鼓動が湧き出す。
トクトクと優しい音が、波紋を広げて大きくなる。
(送る?これ……送ってもいい?)
鼓動が迷う指まで伝播する。
これだけのことに心臓が飛び出そうなくらい緊張してる。
少し手前では、莉央が「あ、既読ついた♡」とはしゃいでいる。
(……いっか、送っても。)
綺麗だったよって伝えたかった、ただそれだけのことだもん。
ト、と指が送信マークをタップする。
保留マークが時刻に変わって、葵くんのスマホに届いてしまったことを示す。
そしたら一気にホッとして気が抜ける。
写真ひとつ送るのにこの労力。
久しぶりの緊張感にちょっとだけ疲れたのに、心は浮ついたままだ。



