純情*ライアー


◆◇◆

やってきたのはペット用品を扱う大型のペットショップ。


犬のおもちゃのコーナーで、立ち止まって吟味する。



「しろまるのおもちゃ?」

「そう。お気に入りのやつがボロボロになってきちゃったの。」



しろまるとは、私が飼ってる犬の名前。

白い豆柴だから、“しろまる”。



「だから新しいの買ってあげなきゃな、
――って言うのは建前で。私のこと、いろいろ知ってもらおうかなと思って。」



隣で葵くんの胸が跳ねた気がする。

葵くんが照れを隠して俯いた。



しろまるのお気に入りはボール型のおもちゃ。

だから同じようなのをいくつか手に取ってみる。



「家で何してるとか、好きなものとか、何にも知らないじゃない?
だから教えてよ、葛城くんのことも。」


つられて恥ずかしくなってきて、首を傾げて笑いかける。

葵くんの眉間のシワが深くなって、ムっと口がへの字になった。



「……ずるいよそれ。
葉澄さん、減点1だからね。」

「その制度はなくなりました。
加点も減点もありませんー。」



触れない今が1番近い。



結局、二者択一を葵くんに決めてもらって、青と白のツートンカラーのボールを買った。