「……迎えにきてくれたんでしょ?帰ろ。
じゃあまた明日ね、莉央。あと、桐谷くんも。」
「まだ話が終わってないんだから!」と肩を怒らす莉央にも苦笑。
「まぁまぁ」と軽い調子で莉央を宥める桐谷くんの声が背後に聞こえた。
私の周りには、感情に素直な人が多い。
ちょっとくらいは見習いなさいってことなのかな。
冬の寒さが深まる道を、葵くんと2人で歩く。
駅までの道は数十分。
せっかくの約束を帰るだけにするのはちょっと惜しいか。
葵くんの横顔もなんとなくそわそわしていて、同じ気持ちなのが透けて見える。
改札口に着く前に、葵くんより一歩前に出てくるりと振り返った。
「寄り道しよ、葛城くん。ちょっと買い物に付き合って。」
葵くんの目が丸くなって、それから三日月型になる。
それから2人で改札を通って、電車に乗って街に出た。



