俯いていた葵くんの目が、バッと上がってぐらぐら揺れる。
全部顔に出るわかりやす過ぎる感情が、私達の逃げ道を失くすみたいで小さく笑った。
「いち、ねん、はんまえ……から。」
――1年半前。
初めて話した日よりずっと前のことだ。
私達にしては開き過ぎてる向き合う距離を、ほんの半歩だけ詰める。
また俯いてしまった葵くんの警戒心を解くみたいに、そっと顔を覗き込んだ。
「どうしてチャラいフリしてたの?」
初めて関わった日に最初にした質問を、もう一度。
葵くんは弱りきって眉尻を垂らして、答えを躊躇うみたいに結んだ唇を更にキツく閉じた。



