純情*ライアー


行き慣れた屋上手前の踊り場。


葵くんがそこにいるのももう当たり前の光景になっている。




但し今日は火曜日。

“いつも”とはちょっと違う。




壁際に立つ葵くんはしょんぼりとしていて、何か悪いことした後みたいに見える。


……けど実際は、何を言われるのか、と言う不安でいっぱいの態度なのだろう。




「急に呼び出してごめんね。」

「や、大丈夫……」



絞り出した声は小さい。


不安にさせてごめんね、と心の中でもう一度謝った。




「葵くんは、さ……」



身構えている葵くんの緊張が伝播して、私も少し言葉に詰まる。


それでも、できるだけ普通を取り繕った。





「葵くんは、いつから“私”を知ってたの?」