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放課後、初めて私から葵くんの教室を訪れた。
約束の曜日ではないのに私が現れたのを見つけて葵くんは驚いて、それからいやに緊張した顔になる。
(……捨て犬の顔。)
そんな風に、今まで軽く思い過ぎてたね。
「優里さ、……優里、どうしたの?」
不安そうな葵くんが、私の前にやってくる。
その様子を見ていた桐谷くんに一瞬だけ目配せしてから、真っ直ぐ葵くんと向き合った。
「葵くんに聞きたいことがあるの。」
揺らぐ目を、捉えるようにちゃんと見つめる。
「今から少し時間くれる?」
クズ城葵の仮面なんて被る余裕もない葵くんは、迷って、それから観念したように頷いた。



