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「葉澄さん。ちょっと、いい?」
冬休みが明けた最初の昼休み。
莉央とお弁当を食べていると、桐谷くんが教室の入り口から顔を覗かせた。
「ちょっとちょっと!優里、どういうこと!?」
意外な人物からの呼び出しに、莉央が興奮気味にざわつく。
私と葵くんは今や公認カップル。
そして桐谷くんは葵くんの幼馴染。
その桐谷くんが葵くんを差し置いて休み明け直後に私を呼び出したんだから、教室は昼ドラでも観てるかのような緊張感に包まれる。
(そんな浮ついた話じゃない気がするけど……)
「ごめん、莉央。行ってくるね。」
食べかけのお弁当を片付けて、桐谷くんの元へと席を立つ。
「ここじゃなんだから」と人目を避けて空き教室まで連れ出された。



