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「葉澄さんありがとう!ほんっと助かりました!」
踊り場に着くなり、葛城くんがパンッと私の眼前で手を合わせた。
ほんと、このモード切り替えどこにスイッチついてるの?
「……いいよ別に。授業サボることになった件については謝罪してほしいけど。」
始業チャイムはとっくの昔に鳴り終わって、授業真っ只中の校内全体が静まり返っている。
トイレ行っただけなのに、とんだ寄り道してしまった。
「うわぁ、ごめん!葉澄さんいつも真面目に授業受けてたのに!
俺のせいで内申にキズが……!」
(なんで知ってるの?)
引っかかったけど、必要以上の慌て具合の方が気になって「いや冗談だよ」と苦笑いする。
ホッと胸を撫で下ろした葛城くん。
感情忙しすぎないか?と思ったらふっと笑ってしまった。
「振り回されすぎでしょ。疲れない?その性格。」
私の顔を見た葛城くんの目が丸くなる。
それから少しして今度は伏して、頬が心なしか染まった。
「……疲れるよ、カッコ悪いって思うし……。」
拗ねたみたいな顰めっ面。
なんだ、情けない自覚あったのか。
あー、可笑しい。
そう思ったら興味が湧いた。



