純情*ライアー


◆◇◆

「葉澄さんありがとう!ほんっと助かりました!」


踊り場に着くなり、葛城くんがパンッと私の眼前で手を合わせた。


ほんと、このモード切り替えどこにスイッチついてるの?



「……いいよ別に。授業サボることになった件については謝罪してほしいけど。」



始業チャイムはとっくの昔に鳴り終わって、授業真っ只中の校内全体が静まり返っている。


トイレ行っただけなのに、とんだ寄り道してしまった。



「うわぁ、ごめん!葉澄さんいつも真面目に授業受けてたのに!
俺のせいで内申にキズが……!」


(なんで知ってるの?)


引っかかったけど、必要以上の慌て具合の方が気になって「いや冗談だよ」と苦笑いする。


ホッと胸を撫で下ろした葛城くん。

感情忙しすぎないか?と思ったらふっと笑ってしまった。


「振り回されすぎでしょ。疲れない?その性格。」


私の顔を見た葛城くんの目が丸くなる。

それから少しして今度は伏して、頬が心なしか染まった。



「……疲れるよ、カッコ悪いって思うし……。」



拗ねたみたいな顰めっ面。
なんだ、情けない自覚あったのか。


あー、可笑しい。
そう思ったら興味が湧いた。