純情*ライアー


数日前の噂の2人。

その邂逅に女の子達はしん、と黙る。


私が余裕そうにすればするだけ圧がかかって、葛城くんの両腕の拘束がひっそりと解除された。



「この後どうしよ?もう行ってていい?」


ノートを抱えたまま、こて、と首を傾げる。



――“この後予約済み”を匂わせる台詞に、黙っていた女の子達がざわめいた。



葛城くんは一瞬ぽかんとして、それから察して片微笑む。

ちょっと意地悪で甘い、チャラ男の笑顔だ。



「や、俺も今行く。葉澄さんが最優先。」



(――甘い台詞、完璧か。)


助けなくてもよかったんでは?と心の中でチッと舌打ち。


匂わすだけのはずだったのに、屋上に直行するハメになった。