「――で、先生。今日は何をしましょうか?」 葵くんが上体を傾けて私の顔を覗き込む。 余裕が見えるその仕草にぴく、と肩が僅かに跳ねて、焦って平静を装った。 「そうだな、……えーっと……」 えーっと、……なんだろう? 進むべきステップなんていくらでもあるはずなのに、なんでか言葉が出てこない。 「優里さん?」 えっと、から言葉が続かなくなった私を、葵くんが不思議そうに見つめる。 まつ毛に囲まれた甘やかな瞳が子どもっぽく丸くなったのを見て、じわりと心が溶け出した。 「抱き締めて。」