「ずるい!私もっ!」 ドンっと鈍い音がして、思わず見れば葛城くんの反対の腕も確保されてる。 “はいはい、子猫ちゃん”なんて言いそうな甘い笑顔の裏に流れる冷や汗が、わかるようになってしまった。 (助けない。助け――) 情けに揺らいで強く目を瞑る。 ぐぐぐっと張り付いていた足が、ついに剥がれた。 「葛城くん。」 群がる女の子の正面に、真っ直ぐ立って微笑みかけた。