純情*ライアー


(夢……。)


むくりとベッドから起き上がって、くしゃくしゃの髪を掻き上げる。



久しぶりに、痛い記憶をはっきり思い出させる夢だった。



まだスマホが起床時間を知らせ続けているのに気付いて、ようやくそれを手にして止める。

差し込む日差しに画面が反応して、ホーム画面がじわっと明るくなっていった。



(今日、水曜日か……)



昼休みに、葵くんと約束してる日。


水曜日と思うと、セットで葵くんが浮かぶようになった。




月曜は化学と数学が並んでる。
火曜は朝から体育がある。



水曜日は、昼休みに葵くん。



時間割と変わらないただの予定みたいな感覚なのに、あんな夢を見た後だからかその予定にホッとしてる。



いつのまにかズキズキ痛んでいた鼓動も落ち着いて、パリッとしたワイシャツにゆったりと袖を通した。