「好きだったらさ、もっと触れたいって思うの普通じゃない?」
中学2年生の夏。
付き合って半年になる彼に、覆い被さられながら言われた言葉。
シンプルだけど、ちょっと雑多な男子の部屋。
言いくるめられて沈んだベッドの上で、一線を越えようとするのを拒否した時。
「優里のこと好きだからしたいの。
――優里は違った?」
“好き”の気持ちを試すみたいな暴論に、
セーラー服のリボンを解きにかかる手を制する力が緩んでいく。
「私だって、先輩のことが……好き、です……」
「じゃあよくない?優しくするから。」
そうやって心も体も許したせいで、あとですごく辛くなった。
――ピピピピッ
アラームの音でハッとして目を覚ます。
見慣れた自室の天井がだんだんはっきり見えてきた。
心臓は嫌にドクドクと強く鼓動している。
仰向けに寝てるこめかみに、目尻からつう、と生暖かいものが伝っていく。
驚いてすぐにそれを手の甲で擦った。



