ずっと点灯しっぱなしのサイダーのボタンをようやく押す。
ガコンと思ったより大きな音を響かせて、サイダーの缶が落ちてきた。
「優里。」
女の子が囲む輪の真ん中から抜けて、葵くんがこっちに来る。
可愛く拗ねていた子達が、面白くなさそうに私を睨んだ。
その中に愛梨さんもいた。
「いたなら言ってよ。」
「話してるとこ悪いかと思って。」
サッと缶を取り出して、余裕綽々で微笑む。
まだ湯気の引かない私の浴衣姿に、一部の男子が惚けた視線を向けてくるのを葵くんが自分の体で遮った。
「――髪、濡れたままじゃん。」
「ドライヤー空いてなかったからね。」
不意打ちで、葵くんの手が伸びてくる。
濡れて束になった前髪を、長い指がそっと掬った。



