純情*ライアー


修学旅行1日目の日程を終えて、温泉宿にやってきた。


そんなに大きい場所でもないから、ほぼ貸切みたいになっていてどこのフロアも賑やかに盛り上がっている。


莉央と一緒に大浴場の温泉を楽しんで、髪を乾かそうと洗面台に目を向けた。


(一個しか空いてないな。)


当たり前に混んでいる。

なら部屋で乾かした方が早いかと、濡れ髪を後ろで丸く束ねた。



「莉央、そこ使っていいよ。私先に出てるね。」



カラリと脱衣所の引き戸を開けて暖簾をくぐる。


出てすぐのところはちょっとした休憩スペースになっていて、フロアで分けられた男女グループの溜まり場みたいになっている。



「ねー、うちらの部屋来てよ葵!爽とか他の男子もいるんだよ?」



――その中でも一際目立つ、葵くんのグループ。

そして、誰よりも目につく華やかな葵くんの後ろ姿。