きゅんとしかけて立ち止まる。
私も彼女の顔をしないと。
「カッコつけちゃって。
それでビビってたら台無しじゃない?」
クス、と笑うと葵くんの視線が今度は私に注がれた。
「ゔ……っ」
「いちいち決まらないとこが、葵くんの可愛いとこだよね。」
私の膝の上でくつろぎ始めたポメラニアンを、愛でて撫でながら葵くんと見つめ合う。
「褒めてないでしょ」とボソリと呟いた割に、ぷすんと耳まで真っ赤になってる。
向こうで犬に囲まれてる莉央と桐谷くんを見ながら、
しょうがないなと息を吐いた。
「顔、赤くなり過ぎ。
桐谷くんはいいとして、莉央もいるんだからちょっとはクズ城葵の演技しなさい。」
――ぴたり。
“桐谷くん”のワードを聞いた葵くんの顔が、途端に曇る。
クゥンと寂しそうなわんこ顔が、私の目をじっと見た。



