「わー、可愛い。大きい子も小さい子もいるね。」
ドッグパークの柵の中に入ると、人懐っこい犬達がわっと集まってくる。
笑ってるみたいにハッハと口を開けて尻尾を振る姿が可愛くて、思わずテンションが上がってしまう。
うわぁ、と感嘆の声を漏らして、犬達を愛でながら中に入っていった。
足元にポメラニアンが戯れ付く。
しゃがみ込んでふさふさの体を撫でると大喜びで戯れついて、私の膝に飛び込んできた。
「葵くんは触らないの?」
ずっと立ったままの葵くんを見上げる。
気まずそうに外を見て強張った顔が、観念して私を見下ろした。
「……犬、苦手で。」
「そうなの?言ってくれたらやめといたのに。」
まさかのカミングアウトに申し訳なくなる。
警戒するようにポメラニアンを凝視しながら、葵くんも私の隣に並んだ。
「……優里が行きたいなら行くか、と思って。」
――私のため?
いや、今は恋人ごっこ中。
演技のため、だ。



