「それでねっあのね……」
莉央は桐谷くんの綺麗な顔に釘付けになってて気づかない。
桐谷くんは私が振り返った意図にまで気付いて、私を見て“どうしようかな”とでも言いそうな意地悪な笑みを浮かべた。
くっ……強い。
負けない様に目をジト、と鋭くする。
“莉央で遊ぶのはだめ”
目力で訴えた。
「爽と仲良かったっけ。」
隣から葵くんの声がしてハッとする。
まずい、後ろに集中しすぎて葵くんのことをすっかり忘れていた。
「いや?ちゃんと話したの夏休みに偶然会った時だし。
あと何回か、廊下とかでバッタリ顔合わせたくらいだよ。」
『ホントのクズは俺なのにね。』
……その数回がなかなか密だった気もするけど。
「そっか。」
葵くんは笑っているのに声のトーンがちょっと暗い。
出会した時から緊張してるみたいな雰囲気出てたし、そのせいだろうか?
今度は隣が気になってきた。



