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「ねぇねぇ、見て!あっちにキツネがいるよ!」
「あー、ホントだ。かわいいね。」
…………後ろが気になり過ぎる……。
順路を歩きながら、カップルかの様にイチャイチャして聞こえる莉央と桐谷くんの会話を背中に受ける。
莉央の声色は完全に乙女。
桐谷くん声色は明るいけど、軽くて気持ちは乗ってない。
(なんとなくわかる。なぜなら桐谷くんと私は似た様なタイプだから。)
あー、でもぱっと見優しく聞こえるから、莉央がメロメロになるのもわかるんだよな。
どうしよ、“好きになった”って言われたら。
あんまりおすすめはできないんだけど……。
葵くんと肩を並べて前を向きながら、横目でなんとか後ろを伺おうとする。
すれ違うウチの生徒たちが「えっ、桐谷まで!?」とざわめいているのまで聞こえて、もう気が気じゃない。
ついにしっかり振り返って状況を確認してしまった。



