純情*ライアー



今度の舞台は12月の小さい動物園。
それから温泉と、メインの顔したおまけ程度の歴史学習。



2年生の一大イベント、修学旅行にやってきた。



「莉央、あっちで馬の餌やり体験ができるって。」


ぐるぐる巻きのマフラーに顎先を埋めて、人が集まる方を指差す。



「やりたいやりたい!行ってみよ、優里!」



白い息を弾ませながら莉央が私の腕に抱きつく。


動物園なんて子どもの頃ぶりだから、なんでも珍しく見えてそこにいるだけでわくわくする。


無人の売り場に小銭を入れて、馬の餌になる干し草の入ったカップを一つ買う。

「できるかなぁ」とドキドキしながらそれを持つ莉央と、馬の前の人混みに並んだ。



「あれ、葉澄さんと水瀬さんじゃん。」


たった今餌やりを終えたらしく、こっちに振り返った桐谷くんが私達に向かって軽やかに手を振ってきた。

その隣には、もちろん葵くんがいる。