熱を宿したままの頬を隠す私を、愛梨さんは驚いた様に見つめて固まる。
それから悔しそうに眉根を寄せて私を睨んだ。
「盗み聞き?……最っ低。」
それからすぐに走り去る後ろ姿は、涙を拭っているように見えてしまった。
……あの子は、本気で葵くんのことが好きなんだ。
愛梨さんの不器用な純粋さが眩しくて、葵くんと重なる。
あんな子に真っ直ぐ好きだと言われたら、葵くんの心はきっと動くんだろうな。
気まずさに動けなくなって、背中が壁にくっついたまま。
よくわからない痛みが、胸をちくちくと刺し続けている。
「――優里さん?」
いつのまにかドアから顔を覗かせていた葵くんが、私の姿を見つけて驚いた顔をしている。
頬の赤みを悟られない様に俯いたまま、上目にその顔を見上げた。



