翌週水曜日の朝。
学校の最寄駅の改札口で、葵くんと待ち合わせをした。
“葵:もうすぐ着くよ”
暇つぶしに握ってたスマホが、ポンとそんなメッセージを映し出す。
私と同じ制服を着た人達は、端っこで立ち止まって明らかに誰かを待ってる風な私をチラ見して噂する。
「葛城葵を待ってんのかな」
その類の囁きが、あちらこちらから漏れ聞こえた。
電車が止まって、ちょっとしてから改札に人の流れができる。
人混みの中でも一発でわかる背の高いミルクティー色の髪。
それを見つけると、改札を出てすぐのところで葵くんを待ち構えた。
「はよー、優里。」
ポケットに手を突っ込んだ葵くんが私を見下ろす。
照れた真顔に、半分子犬が漏れ出てた。
「おはよ、葉澄さん?」
それから、葵くんの隣にもう1人。
桐谷くんだ。



