それから、数秒後。 「――――うん。可愛い。」 へにゃりと嬉しそうに口元を緩ませた葵くんが、両手で包んだスマホを大事そうに額にあてがう。 聞こえもしない葵くんのドキンドキンという胸の音がリンクして、私の胸も小さく同じリズムを刻んだ。 ――なんでそんな嬉しそうにしちゃうの? 葵くんのこれは、女の子への免疫がないところに直接ウイルスを喰らったせいで熱に浮かされた症状。 恋のようで、恋じゃない。 ――私のも、同じ。 葵くんの反応がいちいちピュア過ぎるから、ちょっとびっくりしてるだけ。