純情*ライアー


◆◇◆

私達が付き合ってるとまだ知らない人達が、私と葵くんの繋がった手を見てギョッとしてどよめく。


わざと見せつけるみたいにして人通りの多い場所を歩いて、どの教室の窓からも見える中庭のベンチに並んで座った。



「教室に戻る頃には噂、広まってるかな。」

「……かもね。」



しん、と沈黙が落ちる。


手はまだ繋いだまま。


あったかい葵くんの体温が、そこからじわじわ染み込んでくる。



私達が決めた恋人ごっこのルールは3つ。


✳︎定期で会うのは水曜日の登下校と昼休みのみ。

✳︎施行期間は2年生が終わるまでの約4ヶ月。

✳︎どちらかに本当の好きな人ができたら即終了すること。



私を守るためのごっこ遊び。
それならルールは、葵くんを守るためのものにした。



「あ。そうだ、葵くん。」



繋いでいた手をぱっと離して、ポケットの中を探る。

葵くんは密かにその手を握り込んで、私のことを眺めている。