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私達が付き合ってるとまだ知らない人達が、私と葵くんの繋がった手を見てギョッとしてどよめく。
わざと見せつけるみたいにして人通りの多い場所を歩いて、どの教室の窓からも見える中庭のベンチに並んで座った。
「教室に戻る頃には噂、広まってるかな。」
「……かもね。」
しん、と沈黙が落ちる。
手はまだ繋いだまま。
あったかい葵くんの体温が、そこからじわじわ染み込んでくる。
私達が決めた恋人ごっこのルールは3つ。
✳︎定期で会うのは水曜日の登下校と昼休みのみ。
✳︎施行期間は2年生が終わるまでの約4ヶ月。
✳︎どちらかに本当の好きな人ができたら即終了すること。
私を守るためのごっこ遊び。
それならルールは、葵くんを守るためのものにした。
「あ。そうだ、葵くん。」
繋いでいた手をぱっと離して、ポケットの中を探る。
葵くんは密かにその手を握り込んで、私のことを眺めている。



