純情*ライアー


「でも、体育祭の一件で間違った噂が立っちゃったから。
なら言ってもいいかと思って。莉央に1番に伝えたの。」



莉央には直接報告したかったのは本当。


無自覚な拡散を期待したのはそのついでだ。



莉央はくうっと葛藤した顔をして、上に下にと首を動かす。

それから、まだ不服を滲ませながらも真っ直ぐ私の方を見た。



「すぐ教えて欲しかったけど!相手が葛城くんなら仕方ないよね。
……ちゃんと惚気は教えてよねっ」




(話せる惚気、あるかなぁ。)



なんて思ったら自然とふふ、と笑みが漏れる。

「ちゃんと話すね」と約束して、また違う話題に流れていった。



「優里。」



――と思ったら、唐突に割り込んだ甘ったるい名前の響きに教室中が静まり返る。