「――私、本気の恋愛は……」
「本気じゃないよ。これは優里さんを守るための嘘。」
今度は切実な葵くんの言葉。
だから、逃げ道を塞がれた。
「お願い。俺に優里さんを守らせて。」
子犬みたいに弱々しいのに、熱っぽくて強い視線。
その真剣さに目を合わせるのがきつくなって、瞬きをする度に視線が左右に揺れた。
声が喉に詰まってうまく出てこない。
だから、項垂れる様に頷く。
「わかっ、た……。」
――こうして私達は、
手を取り合って大きな嘘をつくことになった。
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