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――……
ぼや、と薄く視界が開ける。
白い天井。それから私を囲う様に吊り下がった薄緑色のカーテン。
ぴく、と動かした手が感じた感触はスベスベのシーツで、何が起きているのかよくわからなかった。
「――優里さん!」
ちゃんと目を開けた時、視界に心配そうな葵くんの顔が飛び込んできた。
その理由や状況もよくわからなくて、寝起きの様にとりあえず体を起こそうとした。
「だめ!寝てて!
頭ぶつけてるかもだから、起きても安静にって言われてるから!」
葵くんは布団の上から私の肩をぐっと押して布団に沈め直す。
(あー、そっか。タイヤ引き。)
だんだん思い出してきた。
公衆の面前で吹っ飛んだんだった。
「また黒歴史刻んじゃったね。」
自虐してふふ、と力なく笑う。
葵くんにはそんな余裕もないみたいで、ずっとぐずぐずな顔のままだ。
「どこも痛くない?大丈夫?
……すごい勢いで倒れ込んだから心配してる……。」
葵くんは布団の裾をギュッと握る。その手は震えてるし、声もちょっと震えてた。



