純情*ライアー



「これ、注目の対決じゃない!?
見ていこうよ、優里!」


イケメン対決に興奮した莉央が掴んでた私の腕をさらに力強く引いて、応援席の最前線に割り込んでいく。



遠目に見た葵くんは、髪にピンクのメッシュを入れてショッキングピンクのチョッキにネクタイ、ゆるっとしたパンツ姿。

桃軍の応援幹部らしいド派手な格好だ。



(なのにしっかり似合ってる、と。)



同じ様な格好をした桐谷くんも派手ではあるけど、清涼感がある。


葵くんのピンクは色気しかなくて、ただ出走を待つだけの姿に女の子達が何人もやられている。



(葵くんがクズ城葵になったの、改めてよ――――くわかった。)



そう思っていると、パンッと乾いたピストルの音が耳を突き刺す。

葵くんと桐谷くんを含めた出走者が、トラックを回ってこっちの方に走ってきた。



(うわ、ホントに運動神経いいんだ。)


風を切って走るフォームがサマになってる。
運動部員達にも劣らぬスピード感。



「爽ー!」
「葵ー!」

コーナーを曲がって2人が迫ってくると、女子達の歓声が数段上がる。


いよいよ私達の目の前の一直線に差し掛かるタイミングで、ずっと前を見ていた葵くんの目が私を捉えた。